私が通うカラオケスナックには面白い人(とんちんかんな人)たちがたくさんやってきます。そしてやってくるほとんどのお客さんは私の知り合いであるチーママを目当てにやってきます。私はそのとんちんかんぶりや、愛憎うごめく人間模様(笑)を見て楽しんでいます。私の目にかかった人のおかしな言動を紹介していきたいと思います。これを読んで皆さんの自己肯定感が少しでも高まるとうれしいです。
カラオケスナックのスタア(珍獣)たちの観察記
押しつけがましい自称モノマネ名人
彼(50代)は30年以上のモノマネキャリアがあるらしいです。ただ、どう聞いてもめちゃくちゃ下手なんです。だけど自分では名人級だと思い込んでいるんです。すでにお亡くなりになっているアーティストのモノマネをしては、『家族が目をつぶって聞いたら本人が帰ってきたと思うんじゃないかな』と本気で言うんです。まぁそれはおいといて、先日、誰のモノマネをできるか私の隣でメモに書き始めたんです。20人くらいの歌手の名前を書いたのち、私にメモを渡してきて『今から歌うからワンフレーズずつ、(20人の中から)誰々って言ってくれればその人のモノマネで歌うよ』と言うのです。
私は『やだよ、めんどくさい』と断りました笑。だけど少し大人気ないなと思いなおし『やっぱりやらせて!』と言ってあげたんです。そしてクソも似てないモノマネを聞いてあげました。と、ここまではまだよかったのですが、その後に彼が言った一言が痛々しい。
『ね、これ、クセになるでしょ?』って。
大人気ないけど『全然ならない・・・』とはっきり言いました。
大好きなチーママへの信じられないプレゼント
なぜか彼(50代)はチーママ(30代)と両想いでチーママが離婚したら自分と結婚するんだと思い込んでいます。そのくらい想いの強い彼がチーママに贈った誕生日プレゼントが痛々しすぎた。彼は自分の誕生日にボトルをプレゼントしてもらいました。その年のチーママの誕生日に贈ったプレゼントは萎れた小さな花束(ブーケくらい)でした。『枯れたのでいいから一番安い花束ください』とでも言ったかのようなものです。そんなのあげるくらいならあげない方がマシなんじゃ・・・と私は思いました。
翌年、チーママは彼の誕生日にTシャツを贈りました。チーママの誕生日には何を贈るのか興味深々でした。私は彼が店にプレゼントをもってくるだろうと期待して店にいました。彼が入ってきて少し照れながら『気に入ってくれるといいけど!』と言いながらチーママにプレゼントを手渡しました。
彼があげたものはダイソーで購入した『はぎれ布』(布の端切れ)と、『イヤリングコンバータ』(イヤリングの取付部品)でした。しかも包みもせずそのまま渡してました。ハンカチとイヤリングを買ったつもりだったのでしょう。それにしてもダイソーです。前年の萎れた小さい花束でも高いと感じたのかもしれません笑。
しばらくの後、彼に突っ込んでいいか事前に確認をとったうえで『あのプレゼントはあんまりだろう』とツッコミました。すると彼は『プレゼントは気持ちだから』と言いました。その言葉は周りの人がフォローするときに使う言葉で、しょぼいプレゼントをあげた本人が言ってはだめですよね?気をつけよう。
すま〇こおじさん
たまにいますよね。やたら声がでかいお客さん。声がでかい人は輩系が多いですが、この人は輩系ではなく、楽しげなおじさん(50代)なのですが、なんせ笑い声と話し声がでかい。そして話しの中身がない。だけど話しは好きなんでしょうね。でかい声で何かを話しつづけ、話しがつっかえてしまったり、つまらない話しで場をしらけさせてしまったりすると『すま〇こ、すま〇こ』って下ネタ謝りを大声で言ってはしゃいでいます。10分~15分おきくらいには聞こえてきますね。それ一番おもんないから・・・みんなこれも気をつけて(しないと思うけど)
なんでやねんおじさん
チーママが大昔付き合っていた元カレが店にくると聞きました。めっちゃ面白い関西人だから、面白い好きの私と話しが合うと思うよと言われていたのです。期待に胸を膨らませ、待つことしばし。私よりも年上の元彼がやってきました。チーママは面白いところを引き出そうと色々と楽し気に会話をしていました。元カレは何かにつけて『なんでやねん!』とチーママにツッコミを入れてました。店が終わった後、ママ、チーママ、元カレ、私の四人で居酒屋に行き、さらに1時間くらい会話しました。
それでやっと解散になりました。その後チーママと二人で話しをしました。チーママは思ったほど面白くなかったかもと感じたのか自信なさげに『どうだった?』と聞いてきました。
私は『ほとんど「なんでやねん」しか発してなかったぞ』というと『あ、確かに』って。。。期待外れでがっかり。ノリだけで勝負できるのは若いうちだけでっせ。楽してたらダメダメです。
金持ち自慢のクーポンおじさん
そのおじさんは60代で髪型は9:1分けにカッチカチに固めているダンディを装った方です。チーママをどうにかしたくて仕方がない人です。よく『俺と付き合えばいくらでも助けてあげられるよ。お金はあるから』と言っています。ある日、小さなメモ書きをもってきてチーママにそれを見せました。そこには4,280万円と手書きで書いてあったそうです。これだけ貯金があると証明書でも見せたかのように自慢してきたそうです。(それなら私にもできますね。貯金20億って書こうかな・・)
そんな感じで金持ちを装っている彼ですが、チーママをデートに誘うときはカウンターで大きなチラシを広げて『ここに行こうよ!15%引きクーポンがついてるから』と安くなっている店限定のお誘いです。私もチラシ広げている姿を2回ほど見たことあります。その時チーママは『クーポンがあるところじゃないとダメなの?』とツッコミを入れてました。『いや、そんなことはないよ。じゃぁ「味の民芸」でもいこうか』って結局ファミレスかい・・・。
僕は詩人
彼は絵とポエムが趣味だと言っていました。ある日、突然自分が書いたという絵(絵のコピー)を額に入れて2~3枚持ってきた。かわいらしいお地蔵さんの絵にポエムを書き足したものでした。他にはポエムなしの花の絵や風景画もありました。ポエムや一言は「相田みつおさんの人間だもの」を意識してそうな言葉が多かったです。
彼は絵もポエムも完全な自分のオリジナルで自分で考えて書いたと言っていましたが、チーママが「地蔵 絵」でネット検索すると全く同じ絵がすぐにでてきました。絵を印刷してポエムだけ書き足したぽいです。実際、額から外した絵は全部コピー用紙に印刷したものでした。
それを追求しても仕方ないので『すごいねー』と褒めると、それから店に来るたびに3枚くらい額に入れ、持ってきてしまうようになりました。それを店に飾るように要求しだしたんです。仕方なく何枚かは飾っていました。しかしそれだけでは終わりませんでした。隣に居合わせたお客さんが絵をたまたま褒めると、その人にもプレゼントしたいからと、その人用に何枚か持ってきてしまい、お客さんも持ち帰らされていました。お店に飾れない分はママやチーママの家に持って帰ったそうです。
チーママに絵にかかれた言葉で印象的なものを聞いたら『笑顔でいよう』と『仲良くしよう』と『生きているんだから』でした。私はアーティスト的センスないので批評するのもどうかと思いますが、絵はパクリかもしれませんがこの簡単すぎる言葉は自分で考えたものでしょう。ちなみに、持ち帰られた作品たちのその後はわかりません・・・が、額をバラして捨てるのは大変なようです。
振込まれる詐欺のM
M君は30代前半で黙っていれば中々の男前だ。だけど話すと挙動不審な感じになってしまい、更に悪意なく人をイラつかせるんです。残念。歳上の人に対して敬語が使えないというか、失礼なんですよね。飲み屋の知り合いに敬語は使わなくてもいいかもしれませんが、なんだかイラつく対応をするんです。例えば、指を差して『この人さ、なんたらかんたら…』とかね。『この人』呼ばわりされて怒った人を何人か見ました。私にも話しかけてきますが、私は『馬鹿がうつるからあっちいけ』と冗談混じりに本気で追い返します。
そんな彼はいつも金がない。ある時ボトル入れてしばらく飲んでから『財布を落としてキャッシュカード再発行中でいま5000円しかない』と。ボトル入れて食べ物食べたりしてたら5000円だと足りない。再発行まで何日かかかるので再発行されたらすぐ払いにくるというのです。まぁ一部ツケになったわけです。でも実は確信犯なんですね。何日かすると給料日がきてお金が入るからそれで払うということなんです。彼は給料日前はいつも金がないんです。でも彼は実家暮らしです。親に借りてでも払えよって思いますね。
そのツケはちゃんと払ったものの、今度別な日にまた飲みにきたんです。チーママを一生懸命アフターに誘っています。お店はだいたい0時過ぎまでやっていますがその時間が近づいてくると彼はソワソワし始めました。そして『今お金ないんだけど0時になれば給料が口座に振り込まれるからお金おろしてきます』って。そんな0時丁度に毎回給料が振込まれるかよって思ったら案の定。コンビニに行った彼から電話がかかってきて『ふざけんなよ。まだ入ってないよ』って。ふざけるなはお前の方だろと店にいた全員が思ったことでしょう。
結局少し待っても振込まれず。店に戻り、またツケになったことをママにめちゃくちゃ怒られてスゴスゴと帰っていきました。よくこれでアフター誘ったなと感心しましたね笑。
怒るのは家族と会社とアレをバカにされたときだけ…
彼は40代の運送会社2代目社長だ。運送会社にありがちなワイルドタイプではなく理論派を気取る小賢しいタイプ。髪は薄くツルツルな感じの頭です。(私はハゲはモテる説提唱者なのでハゲをバカにしているわけではありません)
その彼が得意げに熱くチーママに語る。『俺が怒るのは家族と会社を馬鹿にされたときだけ。それ以外のことでは怒ったことがない』と。そのうち酔いが回ってきたのか他の運送会社の社長の悪口が始まった。『おれ、あの人に2回めっちゃ怒ったことがあるんだ』と。一回目は運送会社の集まりがあった時のことらしい。集まりの後の飲み会でハゲと頭を馬鹿にされて『あなた飲み過ぎですよ。あんまり言うと取引やめますからね!』とめっちゃ怒ったんだと武勇伝風に語ります。あれ、家族と会社のことでしか怒らないんじゃなかったっけ?と心の中で思いながら話を聞いていました。
もう一回はなぜ怒ったんですか?とチーママが聞くと彼の話はこうでした。バーでたまたま居合わせ、隣で飲んでいると、彼におしぼりで頭を拭かれたとのこと。『本当に取引やめますよ!?』と激怒したんだとか。えっ、また頭の話し??と矛盾に耐えられなくなりその後の話はなんも入ってこなくなりました…
頭のことでそんなに怒るなら、家族と会社のこと以外で怒らないなんて言わなきゃいいのにと思いつつ、おしぼりで頭を拭いた奴のことは失礼なやつだけどおもしれーって思ってしまいました。頭を拭いて取引停止にされかけてる笑笑
嘘つきK□Nちゃん
一応ぼかしておきますね。かんちゃん、きんちゃん、くんちゃん、けんちゃん、こんちゃんの誰かです笑
彼と初めて隣りになり初めて話をしたのがキャバクラの話でした。彼がキャバクラで150万位請求され、腹を立てて店長に向かって『俺はどこそこのK□Nちゃんて呼ばれてるけど知らないの?』と言ったら会計がタダになったという武勇伝。私は『へー、すごいですね。じゃぁこの辺のキャバクラに行ってぼられそうになったら名前使わせてくださいね』とか話を合わせていました。初めて会ったしどこまで本当でどこまで嘘かもわからなかった。だけど彼のことを知っている人が他にいて、彼の話は信じちゃダメだからねと教えてくれた。
それから何度かスナックで会ったのだがとにかくすごい。宝くじ10億円当たったから始まり、女がいてマンション買ってやったとか、チーママに一晩付き合ってくれたら500万あげるとか。仕事で札幌行くからカニ送ってやるからとチーママに住所まで聞いて何も送らず。スナックで仲良くなった他の客に『奢ってやるからキャバクラ行こう』と出ていき、タクシー代からキャバ代まで立て替えさせて、いつまでも返さないとか。
きっと仕事のときはいい人で、仕事のうさを嘘で晴らしてるのかななんてチーママたちと話してて、スナックでは『嘘つきK□Nちゃん』と陰で言われるようになった。
ところがそれは少し違っていたんです。彼と一時期一緒に仕事をしていたことがあるという客が現れたんです。その人曰く『職場ではウソ田さんて呼ばれてましたよ』と…
酒の席だけでなく、四六時中うそつき、うそつきのサラブレッドでした。ウソ田さんのようなわかりやすいうそつきばかりじゃないと思うので、みなさん気をつけましょう。
おまけシリーズ(スナックじゃないけどツボった話し)
桃栗三年柿八年の先輩
まだ私が転職して数年しかたっていない頃の話しです。居酒屋でちょっと先輩に愚痴ってたんですよね。その先輩は桃栗三年柿八年ということわざをこよなく愛する人でした。何事も成就するには相応の時間がかかるから我慢しろ、ということをことわざにかけてよく言っていました。まぁうざい先輩です。いい具合にお酒が回ってきた先輩はまたウザくなってきたわけです。そして大好きなそのことわざを私に得意げに言ってきました。『いいか、よく聞けよ』って。
『桃栗三年八柿年だぞ』って。『はちかきねん』ですって。こういう間違いって私のめっちゃツボなんで我慢できずに涙流しながら爆笑していました・・・
はちかきねん。ありがとうございました。
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